• 2026-07-25

ポルシェ、生産・物流担当取締役が世代交代 ライモルト氏が退任、後任にフリードル氏

取締役に新任されたクリスティアン・フリードル氏(49)

ポルシェは22日、生産・物流担当の取締役を務めるアルブレヒト・ライモルト氏(65)が契約満了に伴い退任すると発表した。退任日は夏季休業明けの2026年8月31日付で、後任には社内からクリスティアン・フリードル氏(49)を起用する。経営陣の世代交代を通じ、生産競争力の強化を継続する。

ライモルト氏は2016年に取締役へ就任して以来、約10年にわたり生産・物流部門を統括。電気スポーツカー「タイカン」の生産立ち上げでは、ツッフェンハウゼン工場内に「工場内工場」と呼ばれる新たな生産体制を構築したほか、新型コロナウイルス禍や半導体不足といった供給網の混乱下でも生産体制を維持し、事業運営を支えた。

在任中は、生産拠点のデジタル化やグローバル生産ネットワークの高度化も推進した。911シリーズ向けTハイブリッドシステム用高性能円筒形電池を製造する合弁会社「V4Smart」の立ち上げや、アンドリッツ・シューラーとのプレス工場合弁会社「スマート・プレス・ショップ」の設立、さらにスロバキアでの新型「カイエン・エレクトリック」向けバッテリーモジュール工場の建設など、大型投資案件を主導した。

こうした取り組みは生産現場の国際的な評価にもつながり、ライプツィヒ工場は2025年に「オートモーティブ・リーン・プロダクション・アワード」を受賞。ツッフェンハウゼン工場とライプツィヒ工場はドイツ持続可能建築協会(DGNB)から複数回にわたりプラチナ認証を獲得するなど、生産効率と環境対応の両立を実現した。

ポルシェ監査役会のウォルフガング・ポルシェ会長は「ライモルト氏は卓越した技術力と実行力で、生産・物流部門の発展に大きく貢献した」と評価。そのうえで、「フリードル氏はその成果を引き継ぎ、新たな視点で生産ネットワークをさらに発展させることを期待している」とコメントした。

また、最高経営責任者(CEO)のミヒャエル・ライターズ氏は、「市場環境が大きく変動する中、ライモルト氏は生産・物流部門に大きな安定をもたらした。今回の人事は計画的な経営承継であり、フリードル氏は競争力強化を担う資質を十分備えている」としている。

【経歴】クリスティアン・フリードル氏(49)=レーゲンスブルク応用科学大学で機械工学を学び、1999年にポルシェへ入社。エンジン組立、車体、塗装など生産部門で経験を積み、2016年には本社ツッフェンハウゼン工場長に就任した。2021年にはフォルクスワーゲングループ傘下のセアトのマルトレル工場へ移り、生産マネジメントを担当。2023年にポルシェへ復帰し、コーポレート品質担当副社長を務めてきた。2026年9月1日付で生産・物流担当取締役に就任する。(2026年7月24日)