• 2026-07-25

現代自・起亜、車体1,000カ所をデジタル計測 品質検証を高度化、AI活用も視野

現代自動車と起亜は24日、韓国・南陽研究開発センター内の「デジタル・メジャリング・センター(DMC)」で、車両1台当たり最大1,000カ所の測定ポイントをデジタル計測し、品質管理を高度化していると発表した。高精度な三次元測定やAIを活用したデータ解析を通じて、静粛性や防水性能、組み付け精度など、顧客が体感する品質の向上を図る狙いだ。

DMCでは、座標測定機(CMM)を用いて車体骨格の約1,000カ所を三次元測定し、約600項目に及ぶ品質評価基準に基づいて寸法精度を検証する。測定データは量産工場へ共有され、開発段階と同一水準の品質基準で生産できる体制を構築している。

品質検証では、「外観品質」「NVH(騒音・振動・ハーシュネス)」「防水性能」「機能・組み付け性」の4分野を重点管理する。パネル間のわずかな隙間や段差、人の目では判別しにくい変形まで数値化し、不具合発生後の対応ではなく、設計・開発段階から品質を作り込むデータ主導型の品質管理へ転換を進める。ドアやバックドアなど可動部品の検査では、ロボットアームに搭載した光学式3Dスキャナーを採用。自律走行搬送ロボット(AMR)が部品を搬送し、ロボットが全体形状を高速測定することで、設計どおりの寸法や組み付け状態を高精度に確認する。

組み付け検証では、実車と同じ車体形状を再現した治具に部品を装着し、携帯型3Dスキャナーで精度を確認する。最終組立前に不具合を検出することで、後工程での手戻りや品質問題の発生を抑制する狙いだ。完成車の最終検証では、車体全体をスキャンし、各工程で蓄積した測定データを統合して解析する。外観品質の問題は複数工程の寸法誤差が積み重なって発生するケースが多いが、DMCでは開発から組立までのデータを一元管理しており、不具合の原因を迅速に特定し、改善策へ反映できるという。さらに、動的性能評価施設では、ドアやバックドアの開閉時の挙動を超高速カメラとセンサーで毎秒500回計測。人の目では捉えられない変形や荷重による影響を可視化し、耐久性や操作品質の向上につなげている。

DMCの中核となるデータセンターでは、開発全工程の測定データを集約。独自アルゴリズム「DATA-FIT」が最適な組み付け条件をシミュレーションし、「DATA-AUDIT」が寸法ばらつきや品質リスクを分析して改善提案を行う。今後は蓄積した測定データをAI基盤として活用し、車両開発のさらなる高度化をめざす。

今回のDMCは、南陽研究開発センターで進めるデジタル開発基盤強化の一環。現代自動車グループは、ドライビングシミュレーターや3Dプリンティング施設「AMSC」、先進研究施設「NOVA Lab」と合わせ、試作中心の開発からデジタル主導の開発体制への転換を進めている。(2026年7月24日)