• 2024-05-04

Web3の国際コンソーシアムであるMOBIとドイツのGaia-X moveIDは22日、自動車情報の相互運用性の向上をめざす共同イニシアチブを発表した。MOBI による車両デジタルIDと電池パスポートの2つの標準、「MOBI Vehicle Identity(VID)」と「MOBI Battery Birth Certificate(BBC)」の共同実証に取り組む。自動車のデータ共有に関する標準化づくりとともに、国際間の連携競争が活発化しそうだ。

合意したイニシアチブは、例えば車両とバッテリーでWeb3のデジタルIDや認証にリンクするための技術運用性を確認する。「World Wide Web Consortium(W3C)」を用いて技術的相互運用性の実証とともに、安全な自己主権データとアイデンティティの枠組みづくりを狙う。これにより、W3Cの分散型識別子(DID)と検証可能なクレデンシャル(VC)を基に構築、自動車のエコシステムにおける取り引き管理の業界標準化を推進したい考えだ。

MOBI によると、Gaia-X moveIDはモビリティと車両サービスの展望を根本的に再構築するため、自己主権ID(SSI)を備えた統一のデジタルエコシステムを育成するという。いわゆるブロックチェーン技術を使って、サーバーを介さずデータをやり取りするピアツーピア方式で駐車場や充電インフラなどモビリティサービスに関するデータを可用できる仕組みづくりをめざしている。

世界的な非営利のWeb3コンソーシアムであるMOBIは、自己主権データ(SSD)、SSI、検証可能なトランザクションのための標準の作成と重要なインフラの構築を通じて、業界横断的な相互運用性を実現するために官民セクターの努力を結集している。このインフラは、2つの連携ネットワークで構成されている: VCを活用した分散型マーケットプレイスであるCitopiaと、DIDsレジストリであるIntegrated Trust Network (ITN)です。CitopiaとITNは、規制に準拠し標準化された通信プロトコルを提供し、ほぼリアルタイムの取引を実現するために連携しています。MOBI VIDとMOBI BBCの標準は、グローバルに相互運用可能で、オープンで接続されたエコシステムの基盤を形成します。

このイニシアチブでは将来的に、標準化した「KYB(know-your-business)」と「KYC(know-your-customer)」領域も取り組む意向だ。当初、技術的な相互運用性のテストに重点を置いているのに対し、次のステップでは消費者や企業、政府・行政当局に信頼されるIDと認証情報にも標準化していきたい考えだ。

Gaia-X moveIDは、ドイツ連邦経済・気候行動省が支援するGaia-X Future Mobilityプロジェクト・ファミリーのプロジェクトで、ロバート・ボッシュのほかコンティ念たる・オートモーティブ・テクノロジーズや、デンソー、51nodes、PeaqテクノロジーといったWeb3やSSIの専門企業など19の企業・団体コンソーシアムを構成している。開幕したハノーバー見本市2024でも出展、取り組みを紹介している。(2024年4月23日)