
中国EVメーカーのXPENG(小鵬汽車)が、フラッグシップ電動MPV「X9」を欧州7カ国で発売し、納車を開始した。対象となるのはドイツとノルウェー、フィンランド、アイスランド、クロアチア、スロベニア、ハンガリーで、小鵬汽車は欧州市場での事業拡大を加速させたい考えだ。
独EV専門メディアのエレクティブ・トゥデイ報じた。これによると、X9は2023年に中国で発売された同社初の「Xシリーズ」モデルで、800Vアーキテクチャーや5C超急速充電技術、後輪操舵システムを採用するのが特長だ。欧州ではすでにドイツで販売を開始しており、ノルウェーでは最初の顧客への納車も始まったという。
販売されるモデルは3グレード構成となる。エントリーモデルの「FWDスタンダードレンジ」は94.8kWhのLFP電池を搭載し、WLTP航続距離は最大535km。価格は7万7600ユーロから。「FWDロングレンジ」は110kWhのNMC電池を採用し、最大615kmを走行できる。最上級の「AWDパフォーマンス」は370kWの四輪駆動システムを備え、最大580kmの航続距離を実現する。
注目を集めているのはその充電性能で、ピーク充電出力は537~542kWに達する。現在、欧州で主流の急速充電器の多くは400kW級であるため、その性能を最大限活用できる環境は限られるが、今後の超高出力充電インフラの普及を見据えた設計といえる。
欧州市場では中国EVメーカーの進出が加速しているが、多くはSUVやセダンが中心だった。X9は大型MPVという比較的競争の少ない市場を狙う戦略モデルであり、XPENGは先進技術と高級感を武器に欧州のファミリー層や送迎需要の取り込みをめざすことになる。今回の欧州投入は、中国メーカーが価格競争だけでなく、800Vシステムや超急速充電などの技術力を前面に押し出しながら高付加価値市場への浸透を図る動きを象徴するものとなりそうだ。(2026年6月17日)