• 2024-05-18

タタ、グジャラード第2工場で乗用車生産を開始。将来はBEV生産拠点に

タタ・モーターズ子会社のタタ・パッセンジャー・エレクトリック・モビリティ社(TPEM)は、グジャラート州サナンドのフォードモーターから買い取った工場で乗用車生産を始めた。TPEMは2026年までに20億ドル(2,950億円)を投じ電気自動車(BEV)を10車種発売する計画を打ち出しており、同工場がタタグループのBEV生産の中核拠点となりそうだ。

新工場は、2023年1月10日にフォード・インディアから取得したもので、インド産業の中心地に位置している。タタ・モーターズではグジャラート州で2番目の工場となる。敷地面積は460エーカー(約186万平方メートル)で、プレス工場と車体工場、塗装工場、最終組立工場の4つの主要工場がある。取得後約1年で最新鋭の設備を導入し、ICE(内燃機関)とBEVの両パワートレーンモデルを生産する。年産能力は30万台で、42万台まで拡張できるという。1月12日に第1号車をロールオフした。TPEMがBEVコンセプトとしているコンパクトSUVの「新型ハリアー/サファリ」で、2リッターのディーゼルターボ車と1.5リッターのガソリンターボのICEモデルとなる。

タタ乗用車部門の責任者でTPEMののシャイレーシュ・チャンドラ社長は、「私たちは12カ月という短いスパンで工場の再整備を成功させ、幅広い既存製品や今後登場する新モデルに対応できるよう新たなレベルに引き上げた」とあいさつした。

新工場では現在、1000人以上が従事しているが今夏までに新たに千人規模を追加雇用する予定だ。また、50キロワットのソーラーパネルを設置するとともに、年内までに水を使用しない工場にする計画だ。

TPEMはタタグループが推進するBEV事業の中核会社で、その体制整備を急いでいる。タタグループのジャガー・ランドローバー(JLR)と技術提携し、JLRの電動モジュール・アーキテクチャーをベースにした独自のBEVプラットフォーム「Avinya(アヴィンヤ)」の開発に取り組んでいるほか、約1,300億ルピー(約2,210億円)を投じグジャラート州にBEV用リチウムイオン電池工場を建設する。当面は20GWhの生産規模を3年以内には倍増させたい考えだ。(2024年1月31日)