• 2026-06-18

ヴァレオ、48V・2速eアクスルを量産化 ダチアSUV向けに採用、低コスト電動4WDを実現

自動車部品大手のヴァレオは17日、48Vシステムを用いた世界初の「2速eアクスル(電動リアアクスル)」を量産化し、ルノーグループ傘下のダチアのSUV「ダスター」「ビッグスター」向けに供給を開始したと発表した。欧州で強化されるCO₂排出規制に対応しながら、手頃な価格帯の4WD車に電動化技術を普及させる狙いだ。

新システムは、ガソリンとLPG(液化石油ガス)のバイフューエルエンジンと電動4WDを組み合わせた「ハイブリッドG150」パワートレーンの中核を担う。従来の機械式プロペラシャフトやデファレンシャルの一部を電動リアアクスルに置き換えることで、4WD車特有の燃費悪化を抑制し、欧州の厳格な排出基準への適合を図る。

ヴァレオとルノーグループが共同開発した2速eアクスルは、低速域ではローギア、高速域ではハイギアを自動選択する構造を採用した。リアホイールには最大1800Nmのトルクを供給し、本格SUV並みの悪路走破性能を確保する一方、高速巡航時には140km/hまで効率的な走行を可能にした。また、ソフトウェア制御による「スマート・ドッグクラッチ」を採用。高価な機械式システムを使わずに滑らかな変速を実現し、エントリークラス車両でも採用可能なコスト水準を達成した。

システム重量は41kgで、48V電動リアアクスルとしては市場最大級となる31馬力の出力を発生する。既存のBセグメント車向けプラットフォームにも搭載可能で、マイルドハイブリッド車を比較的低コストで電動4WD化できるのが特長という。さらにダチアによる制御最適化により、市街地走行では最大60%をEVモードで走行できる。同社では、「マイナス30℃のスウェーデンから45℃のスペインまで過酷な環境下で耐久試験を実施しており、牽引性能や渡河性能も維持した」という。(2026年6月18日)