
北米日産は6月29日、米国独立250周年を記念したピックアップトラック「フロンティア 250周年記念モデル」を発表した。7月に生産する2,500台限定で、米国製造業への貢献と現地生産体制の強化をアピールする。
「米国でつくる日産」を前面に
特別仕様車は、米ミシシッピ州キャントン工場で組み立てられる「フロンティア」をベースとし、テールゲートにモノクロ仕様の星条旗デザインを採用した専用バッジを装着する。追加費用なしで設定し、「プロ4X」のショートホイールベース、ロングホイールベース、「ラウシュ」仕様を含む全グレードで展開する。
今回の発表は、キャントン工場でのフロンティア累計生産100万台達成とも重なる。日産は1998年にテネシー州スマーナ工場でフロンティアの生産を開始し、2012年にキャントン工場へ移管。米国内では累計200万台以上を生産してきた。北米日産のクリスチャン・ムニエ会長は、「フロンティアは力強さや耐久性、冒険心といった日産ブランドのDNAを体現する存在であると同時に、米国製造業の強さを象徴するモデルでもある」とコメントした。
また、「米国独立250周年の節目に、キャントン工場で100万台生産を達成できたことは、従業員や地域社会、米国産業を支える人々への敬意を示すものだ」と強調した。キャントン工場は2003年の稼働開始以来、累計500万台以上を生産し、3,700人超を雇用している。フロンティアに搭載する3.8リットルV型6気筒エンジンは、テネシー州デカードのパワートレイン工場で生産している。

今回の記念モデルには、米国生産を前面に打ち出す戦略的な狙いも透ける。トランプ政権下で自動車関税政策が再び強化されるなか、自動車メーカー各社は米国内投資や現地雇用創出を積極的に訴求している。日産は1983年にテネシー州で小型ピックアップトラックの生産を開始して以来、40年以上にわたり米国製造業に根差してきた。デビッド・ジョンソン上級副社長は、「米国の労働者と製造業は、日産の過去だけでなく未来を支える存在だ」と述べ、世代を超えた技術力や献身に敬意を示した。
日産によると、フロンティアの5月販売台数は前年同月比24%増の6,773台となり、2010年以来最高水準を記録した。北米市場では、日産ブランド全体が主流ブランドの中で最も高い成長率を示しているという。米国市場ではピックアップトラック需要が底堅く推移しており、今回の限定モデルは、愛国心と地域生産を訴求するマーケティング戦略の一環として、ブランド価値向上につなげる考えだ。(2026年7月1日)