• 2026-07-05

コンチネンタル、産業部門を売却 タイヤ専業メーカーへ転換完了

独コンチネンタルは4日、産業部門「コンチテック」を投資会社ローンスター・ファンズの関連会社へ40億ユーロ(約6,800億円)で売却すると発表した。業績連動型の追加対価として、今後数年間で最大2億5,000万ユーロを受け取る可能性がある。これにより同社は創業以来初めてタイヤ事業に特化した専業メーカーへ移行する。規制当局の承認を前提とする今回の取引では、年金債務やリース債務などの移管後、コンチネンタルの手取り資金は約31億ユーロとなる見通し。このうち約25億ユーロについては、特別配当や自社株買い、あるいはその組み合わせを通じて株主へ還元する方針を示した。

監査役会議長のサブリナ・スーサン氏は、「コンチテックの売却は事業再編の最終段階であり、両社は独立企業として成長することで、より強固な競争力を獲得できる」とコメントした。また、最高経営責任者(CEO)のクリスチャン・ケッツ氏は、「今回の売却は戦略的再編の完了を意味すると同時に、タイヤ専業メーカーとして新たな時代の幕開けとなる」と強調。株主還元と財務基盤強化を並行して進める考えを示した。

一方、ローンスター・ファンズのCEOであるドナルド・クインティン氏は、「コンチテックは優れた材料技術と産業分野での高い専門性を持つ企業であり、大きな成長余地がある。経営陣や従業員と連携し、重点市場への投資と事業改善を進めていく」と述べた。

コンチテックは世界有数の産業用材料ソリューション企業で、世界約2万2,000人を雇用する。2025年度の売上高は約44億ユーロで、このうち約8割を産業分野向け事業が占める。鉱業、エネルギー、建設、インフラ、産業機械など幅広い分野に製品・サービスを提供している。売却完了後のコンチネンタルは、世界19カ所のタイヤ工場と約5万5,000人の従業員を擁するタイヤ専業メーカーとなる。2025年のタイヤ売上高の77%を乗用車用タイヤが占め、地域別では欧州・中東・アフリカ(EMEA)が53%を占めた。交換用タイヤが全体の76%を占めるほか、18インチ以上の超高性能タイヤ(UHP)が乗用車用タイヤ販売の55%まで拡大しており、アジアと北米を成長市場として位置づけている。

コンチネンタルの事業再編は、2025年9月に自動車事業を分離・上場し、新会社「アウモビオ」としたことに続くもの。今年2月にはコンチテックの自動車向け純正部品事業も売却しており、今回の取引によってタイヤ事業への集中戦略が完結する。(2026年7月4日)