• 2026-04-22

メルセデス・ベンツ、新型「電動Cクラス」発表 中核モデルのEV化で主力帯の電動化加速

メルセデス・ベンツは20日、主力セダン「Cクラス」の電動モデルを発表した。最大762km(WLTP)の航続距離や800V電圧系による急速充電(10分で最大325km分)を実現し、中型セダン市場での電動車競争を一段と引き上げる。

同社にとってCクラスは長年の販売中核を担う量販モデルであり、その電動化はプレミアムブランドのEVシフトを「上位モデル中心」から「主力帯へ拡張」する転換点となる。従来はSクラスやEQSなどフラッグシップで先行してきた電動化技術を、中核セグメントに本格展開する位置付けだ。

今回の電動Cクラスは、航続距離と充電性能に加え、独自OS「MB.OS」によるソフトウエア定義車(SDV)化を前面に押し出した。生成AIを活用した音声アシスタントやOTA(無線更新)機能により、購入後も機能を拡張できる設計とした。走行性能では後輪操舵やエアサスペンションを採用し、「最もスポーティーなCクラス」と位置づける一方、長距離快適性では上位のSクラス並みの乗り味を目指す。電動化に伴う新プラットフォームにより室内空間も拡大し、従来モデルとの差別化を図る。

新型電気自動車メルセデス・ベンツ Cクラス:高電圧バッテリーの分解図。新型Cクラスに採用された高電圧バッテリーは、新型CLAで初めて導入された、インテリジェントかつモジュール式で高度に統合されたバッテリーアーキテクチャに基づく。この次世代バッテリーは、効率、性能、コスト、拡張性だけでなく、整備性や修理のしやすさにも重点を置いて最適化されているという。

メルセデスは2030年までに市場条件が整えばEV専業化を掲げるが、収益の柱である中型セグメントの電動化が課題だった。今回のモデル投入により、量販帯でもEVの性能・利便性を確保できる体制が整う。とりわけ長距離性能と充電速度の向上は、従来の「プレミアムEVの弱点」とされてきた実用性の壁を下げる狙いがある。これにより、既存の内燃機関ユーザーをEVへ転換する役割を担う。

電動Cクラスは、同社の電動化戦略において「技術実証モデル」から「収益モデル」への橋渡しを担う存在となる。主力車種のEV化が進むことで、メルセデスの電動化は次の段階に入りそうだ。(2026年4月22日)