ステランティスとジャガー・ランドローバー(JLR)は20日、米国市場向けの商品開発で協業の可能性を検討するため、覚書(MOU)を締結した、と発表した。電動化やソフトウエア開発負担が増すなか、両社は技術・製品面での相乗効果を探り、開発効率の向上をめざす。
商品・技術開発で相乗効果探る、電動化と開発効率化を加速

今回のMOUは法的拘束力を持たない。両社は商品開発や技術開発領域で協力可能性を検討し、それぞれの強みを持ち寄ることで価値創出を図る。具体的な協業内容は明らかにしていないが、米国市場向け車両やプラットフォーム、電動化技術、ソフトウエア関連などが対象になる可能性がある。
ステランティスのアントニオ・フィローサCEOは「商品や技術開発分野でシナジーを模索することで、顧客が求める製品や体験を提供しながら、双方に有意義な利益を生み出せる」とコメントした。

JLRのPBバラジCEOも「将来に向けたJLR変革のなかで、協業は新たな機会を引き出す重要な要素になる。ステランティスとの連携により、米国市場での長期成長計画を支える補完的能力を探る」と述べた。
自動車業界では、電動化やSDV(ソフトウエア定義車)への対応で開発投資が急増しており、各社は提携戦略を加速している。ステランティスはすでに中国・東風汽車との協力強化を打ち出しているほか、JLRも親会社であるタタ・モーターズ傘下でEVシフトを進めている。
JLRは「Reimagine」戦略のもと、2039年までのサプライチェーン・製品・事業運営全体でのカーボンネットゼロ実現を掲げる。ジャガーブランドは2030年までに完全EV化を進める方針で、電動化投資と収益性の両立が課題となっている。一方のステランティスも、北米市場でEV・ハイブリッド戦略の再構築を進めており、今回の提携協議は、高コスト化する次世代車開発を分担する動きの一環とみられる。(2026年5月20日)