
ドイツの電動モビリティ専門ウェブメディア「エレクティブ」は、テスラが独グリュンハイデ工場で計画する電池セル生産能力を、従来計画の年間8ギガワット時(GWh)から18GWhへ大幅に引き上げる方針だと報じた。4680型電池セルの現地生産に向け、約2億5,000万ドル(約388億円、1ドル=155円換算)を追加投資し、1,500人超を新規雇用する。欧州での垂直統合を強化し、中国・韓国メーカーへの依存低減を進める。
4680セルに追加388億円投資
報道によると、今月13日までにグリュンハイデ工場長のアンドレ・ティエリグ氏が交流サイト(SNS)「LinkedIn」で投資計画を公表した。テスラはこれまで同工場で年間8GWh規模のセル生産を計画していたが、今回の拡張により欧州拠点での電池内製化を大幅に加速する。生産開始は2027年前半を予定する。
欧州で電池からEVまで一貫生産へ
複数の欧州メディアは、今回の追加投資が従来計画されていた約10億ドル(約1,550億円)規模の投資に上乗せされる可能性が高いと指摘。総投資額は10億ユーロ(約1,700億円)規模に近づく見通しで、欧州勢の大型電池プロジェクトに匹敵する水準となる。
テスラは現在、欧州生産の「モデルY」に中国CATL製のLFP電池や、韓国LGエナジーソリューション 製NCM電池を採用している。将来的にはグリュンハイデでセルから車両まで一貫生産する体制を構築し、供給網の強靭化とコスト競争力向上を狙う。
18GWhへの拡張は、完成車生産をほぼ自社セルで賄える規模とみられる。欧州ではVWグループ傘下のパワーコーがザルツギッター工場で初期20GWh規模の電池生産を計画しており、テスラもこれに肩を並べる形となる。
欧州自動車市場ではEV需要減速が指摘される一方、主要メーカー各社は電池供給網の内製化を競っている。エレクティブは、テスラの増強計画について、米中対立や通商リスクが高まるなか、欧州域内でサプライチェーンを完結させる戦略の一環と分析している。(2026年5月18日)