• 2026-10-18

ボルボ、NVIDIAと自動運転で協業拡大 安全技術とAIを融合、次世代車に搭載へ

ボルボ車の前に立つNVIDIAのジェンスン・フアンCEO(左)とボルボ・カーズのホーカン・サムエルソンCEO

ボルボ・カーズは15日、米半導体大手NVIDIAとの協業を拡大し、次世代車向けの自動運転技術を共同開発すると発表した。ボルボが蓄積してきた車両安全技術と、NVIDIAの人工知能(AI)、センサー・車載コンピューティング基盤を組み合わせ、高速道路から市街地、駐車までをつなぐ自動運転の実現をめざす。NVIDIAとの連携はメルセデス・ベンツや現代自動車、トヨタ自動車などにも広がっており、共通の技術基盤を活用しながら、各社が独自の安全性や商品性を競う動きが強まっている。

高速道路から市街地、駐車まで対応へ

ボルボが採用するのは、センサーと車載コンピューターの構成を定める「NVIDIA Hyperion」、安全性を支える「Halos OS」、運転ソフトウエア「Alpamayo Stack」。これらに自社の安全システムと車両開発の知見を組み合わせ、複雑な実際の交通環境に対応する技術を開発する。これにより、高速道路だけでなく交通量の多い市街地や駐車を含む、出発地から目的地までの自動運転だ。将来的には、運転者が道路を常時監視する必要のない「アイズオフ」、さらに運転への注意を継続する必要のない「マインドオフ」の段階的な導入を目指す。

新技術は、ボルボが進める過去最大規模の商品投入計画の一環として、次世代モデルに初搭載する意向だ。両社の協業は2017年に始まっており。今回は約100年にわたるボルボの安全研究と、NVIDIAのAI技術を結び付け、安全性と使いやすさの両立を図るものとなりそうだ。

ボルボのホーカン・サムエルソン社長兼最高経営責任者(CEO)は、両社の強みを組み合わせることで、顧客にとってより安全で魅力的な車を開発する機会になるとの認識を示した。

メルセデスはCLA、現代・起亜は幅広い車種展開を視野

NVIDIAと自動車メーカーの協業は、すでにメルセデス・ベンツが新型「CLA」で、運転ソフトウエア「NVIDIA DRIVE AV」やAI開発基盤、車載コンピューティング技術の活用している。NVIDIAは今年1月、出発地から目的地までの運転を支援する高度なレベル2機能を、年末までに米国で導入する計画を発表した。現代自動車と起亜も今年3月、NVIDIAとの戦略的提携を拡大した。Hyperionを自社のソフトウエア定義車両(SDV)技術と組み合わせ、レベル2の運転支援から、特定の条件下でシステムが運転を担うレベル4まで対応できる開発基盤を構築する方針だ。一部車種への高度運転支援の展開に加え、自動運転事業会社Motionalを通じたレベル4ロボタクシーの開発も対象としている。

日産、BYD、吉利はレベル4開発にも活用

トヨタ自動車も2025年1月、次世代車の高度運転支援にNVIDIAの車載コンピューティング基盤「DRIVE AGX Orin」と、安全認証を取得した基本ソフト「DriveOS」を採用する計画を公表している。今年3月には、日産自動車、BYD、吉利がHyperionを基盤とする次世代のレベル4自動運転車開発を進めていることも発表した。日産の計画では英Wayveの運転ソフトウエアを活用するとしている。いすゞ自動車とティアフォーも、Hyperionを構成する車載半導体「DRIVE AGX Thor」を用いてレベル4自動運転バスを共同開発している。

NVIDIAの役割が車載半導体の供給にとどまらず、センサー構成や運転ソフト、安全性の検証を支える基盤へ広がっている。もとより、その採用技術や自社開発との組み合わせはメーカーで異なるのも特長だ。ボルボの今回の取り組みは、共通基盤を活用しながら、自社が強みとする安全研究を自動運転時代の商品価値につなげようとするもので、搭載車種や作動条件、運転者の役割、段階的な機能導入内容が注目されそうだ。

(2026年10月16日)