• 2026-10-09

現代自動車グループ、欧州技術会議で電動化戦略を紹介 水素・AI活用も

現代自動車グループは6日、独アーヘンで開催中の自動車技術会議「アーヘン・コロキウム2026」で、電動化や水素技術、人工知能(AI)を活用した研究開発の方向性を紹介した。電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)、航続距離延長型電気自動車(EREV)、燃料電池車(FCEV)を展開し、市場や顧客ごとに異なる需要に対応する戦略を示した。

アーヘン・コロキウムは、自動車メーカーや部品メーカー、研究機関、大学などが参加し、車両技術や産業の将来について議論する欧州の主要な自動車技術会議。今回は10月5~7日に開催され、現代自動車グループは基調講演、技術発表、展示、試乗を通じて、成長戦略と中核技術を紹介している。6日には、研究開発部門を統括するマンフレッド・ハラー社長が「境界を越えて、持続可能な未来を広げる」をテーマに基調講演した。各種の電動化技術が持つ強みを生かし、地域や顧客の実情に応じた選択肢を提供する「xEV戦略」を説明した。

ハラー氏は、将来のモビリティの競争力について、単一の技術に集約されるものではなく、異なる技術や知見をいかに結び付けるかが鍵になるとの考えを示した。電動化の多様な選択肢に加え、車両開発で培った技術・知識とAIを融合し、業界内の人材や知見をつなぐ重要性を強調した。

研究開発では、工学的な知見とAIによるデータ処理・分析を組み合わせ、開発競争力を高める方針を示した。車両が利用者を理解し、支援する存在へと進化するとともに、工場出荷後もデータやソフトウエアを通じて継続的に機能を改善する姿を描いている。

この実現に向け、車両データや顧客の利用体験を製品・サービスの改善につなげ、その成果をさらに次の改善に生かす循環の仕組み「データ・フライホイール」を構築している。また、車両やシステムをデジタル空間に再現する「デジタルツイン」と仮想環境での検証を軸に、開発手法の革新を進めるという。

7日の技術発表では、水素・燃料電池、電動化、電池の各分野を担当する幹部3人が登壇する予定。水素普及に向けた技術面・市場面の課題と燃料電池の活用機会、多様な市場需要に対応する電動化技術の展開、次世代電池システムなどを取り上げる。

会場では、水素と電動化の二つの分野で主要技術を展示している。水素分野では、水素製造に使う固体高分子膜(PEM)型水電解スタック、水素貯蔵タンク、新型燃料電池車「NEXO(ネッソ)」の燃料電池システムを出展した。

電動化分野では、電池パックとセル、2段式モーターシステム、ハイブリッド車向けの「TMED-II」トランスミッション、パワーモジュールを紹介している。水素の製造・貯蔵から、燃料電池、電池、ハイブリッドシステムまで幅広い技術を示し、複数の電動化経路を並行して進める戦略を打ち出した。

(2026年10月7日)