• 2026-06-18

GM、米国製造業への投資拡大を強調 「次の250年の競争力は生産能力が決める」

ゼネラル・モーターズ(GM)は17日、7月の米国建国250年を前に、同社の製造業投資と雇用創出の意義を訴える声明を発表した。マイク・トレボロー上級副社長(グローバル製造担当)が「未来を決めるのは何を発明するかだけではなく、それを大規模に生産し社会へ届ける能力だ」と述べ、米国の製造基盤強化の重要性を強調した。

声明文で、GMは米国内で最も多くの従業員を抱える自動車メーカーであり、米国の自動車労働者の約10人に1人がGM社員と訴えた。なかでも、2025年には約500億ドルを米国内総生産(GDP)に寄与し、2026年には米国内工場や生産設備への投資として90億ドル、研究開発に70億ドルを投じる計画であると強調した。

さらに、こうした投資効果が工場だけにとどまらず、部品サプライヤーや販売店網、地域経済へ波及していると説明。例えばミシガン州では、GMが直接生み出すGDP10ドルが、関連企業や地域経済を通じて約17ドルの経済活動につながるとされ、2025年の同州への総GDP寄与額は463億ドルに達した。

電動化や先進製造技術への対応を見据え、人材育成にも注力している点をアピールした。年間7000万ドル以上を技能訓練に投じており、社内教育機関「Technical Learning University」では毎年2500人以上が先進製造、電動化、次世代技術分野の研修を受けているという。また、全米自動車労組(UAW)との技能訓練プログラムへの投資額は過去3年間で約3倍に拡大。次世代の熟練工育成に向け、8000時間を超える座学と実地訓練を提供。さらにSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)教育には累計1億1000万ドル以上を投資し、全米18のコミュニティカレッジと連携して人材パイプラインの構築を進めていることを披露した。

トレボロー氏は、米国が今後も技術革新の中心であり続けるためには、熟練労働者の確保、強靱なサプライチェーン、安定したエネルギー供給、長期投資を後押しする政策環境が不可欠だと指摘。「発明し、製造し、量産する能力こそが、次の250年間にわたる米国の競争力を支える」と述べ、AIや電動化が進展する時代においても、製造業が国家競争力の基盤であり続けるとの認識を示した。

今回の発信は、トランプ政権下で進む製造業回帰やサプライチェーン再構築の議論を背景に、GMが「米国でつくる企業」としての存在感を改めて打ち出す狙いがあるとみられる。EVやソフトウエア開発への注目が高まる一方で、同社は製造現場や技能人材への投資こそが産業競争力の源泉であるとの姿勢を鮮明にした格好だ。(2026年6月17日)