
全米自動車労組(UAW)のショーン・フェイン会長は9日、会長選で勝利を宣言した。暫定集計で約68%の票を獲得し、約13%のリッチ・ボイヤー副会長らを大きく引き離した。正式結果の発表を待つ段階だが、再選が確実な情勢となった。
選挙は裁判所が任命した独立監視官の管理下で行われ、10月6日に開票を開始した。フェイン氏は現職として2期目を目指し、5人の対立候補と争った。得票率は暫定値であり、今後の集計・認証で確定する。
フェイン氏は2023年に会長に就任。同年、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、ステランティスの米大手3社に対してストライキを主導し、大幅な賃上げなどを獲得した。今回の結果は、次の労使交渉に向けて同氏の指導力を支えるものとなる。
2028年交渉、年金と雇用が焦点
次の焦点は、現行協約が満了する2028年の交渉だ。フェイン氏は年金制度の復活を目指している。人工知能(AI)や自動化の進展に伴う雇用への影響も課題となる。自動車メーカーにとっては、競争が激しくなる中で人件費と雇用をどう調整するかが問われる。
民主党支持、組織と個人の投票は別
政治面では、UAWの組織としての支持と、組合員一人ひとりの投票行動を区別する必要がある。UAWは2024年1月に民主党のバイデン氏を支持し、同氏の選挙戦撤退後、7月にハリス氏支持を表明した。前回の大統領選で組織としてトランプ氏を支持し、その後民主党へ転換したわけではない。当時、労働者の権利や団体交渉を守る姿勢を支持理由に挙げた。一方、組合員の政治的立場は一様ではなく、組織の支持表明が全員の投票先を意味するものではない。会長選の結果についても、国政選挙での支持政党と同一視することはできない。
(2026年10月10日)